レスピーギ《ベルファゴール》とデ・ローレ《Ancor che col partire》
来年2月に、東京オペラプロデュースで日本初演のレスピーギ作曲《ベルファゴール》の楽譜を読んでいます。
話の筋としては、地獄の大悪魔ベルファゴール様が、人間界に嫁探しに来るというSFチックな喜劇なのですが、その冒頭に、後に悪魔に見初められてしまう乙女カンディダの恋人で水夫のバルドが船出を前に歌う短い別れの歌があります。その歌詞が、16世紀の超有名マドリガル、チプリアーノ・デ・ローレ作曲《Ancor che col partire》からのほぼ丸引きで、仰天しました。
こちらが原曲↓
そしてこちらがレスピーギ(7:30〜8:38)↓
曲に共通点は余り感じられませんが、古楽に造詣が深かったレスピーギならでは、という感じで大変興味深いです。
更に曲が進むと、舞台上オーケストラの音楽としてガイヤルドとサルタレロが出てくるのですが、これは彼の《リュートのための古風なアリアと舞曲》第2組曲の第1曲、ファブリツィオ・カローゾという16世紀の作曲家のリュート曲の別アレンジだということも分かりました。
来年2月第1週の週末、ローマ三部作だけではないレスピーギの別の面をご覧においで下さい!