フランスバロックソナタの展翅

フランスバロックソナタの展翅

一昨年暮れにレコーディングした、リコーダー奏者本村睦幸さんジュゴンボーイズでの新アルバム、間もなくリリースとなります。それに合わせてレコ発コンサートが予定されています。

 

節度ある気品が重んじられたフランスの宮廷文化に、大胆な感情表現を旨とするイタリア音楽が取り入れられて以来、フランス趣味とイタリア趣味が対立しながらも共存し、融合に向かっていきます。一方、17世紀末の木管楽器の変革以来、フランスでは横吹きフルートの流行がいち早くはじまっていました。その頃、唯一「リコーダのための」と明記された独奏曲がA.D.フィリドールのリコーダーソナタです。小品組曲が中心のフランス器楽のなかで、“ソナタ”はイタリア風を標榜する言葉です。
今回のCD〈フランスバロック・ソナタの展翅(てんし)〉は、このソナタを端緒に、フランスバロックでの多様な“ソナタ”の広がりが描かれるようにプログラムを組みました。フランス趣味からイタリア趣味に至る階調の多彩さを、ぜひライブでもご堪能ください。

最近はバッハを固めて演奏しているジュゴンボーイズですが、結成当初はフレンチバロックのレパートリーをフィーチャーしていました。久々に原点回帰のオール・フレンチプログラム。ご期待下さい。