《オリンピーアデ》

《オリンピーアデ》

紀尾井ホール開館20周年記念に上演される、パイジェッロ作曲のオペラ《オリンピーアデ》のゲネプロを拝見してきました。

このオペラの筋はメタスタージオという、18世紀前半のイタリアを代表する台本作家によるものですが、とにかくレチタティーヴォが長い。というか、こちら「こそ」がオペラのメインで、アリアの方が劇本編に対する「注釈」としての機能を担っている。故に現代人(しかもイタリア語話者でない)にとってはかなり聴き通すのが困難な面があります。

元々オペラは古代の演劇の復興運動として始まったものですが、まだこの曲に代表される「オペラ・セリア」には、ただのエンターテイメントじゃないんだ、という一種の矜持のようなものが残っていると考えられなくもありません。演出や演技の面でも、モーツァルトやロッシーニのオペラ・ブッファとは全く別の世界の代物である、という理解をしっかりと持った上で、よりストレート・プレイに近いアプローチを取ることが必要ではなかろうか・・・と思います。