《臨死船》再演〜清水華澄さん
同世代を代表するメゾソプラノの一人で、先日の日生《ルサルカ》でも、鬼気迫る演技を見せてくれた清水華澄さんのリサイタルで、拙作《臨死船》を取り上げて頂くことになりました。
「初の自主リサイタルをやるにあたって、世間が私に抱いているレパートリーやイメージを裏切るプログラムで組みたい」という事で、あえてイタリアものを外した選曲をする上で、ベルリオーズやストラヴィンスキーのディクション指導の相談を受けたのが、前述の《ルサルカ》の稽古期間中。日本歌曲枠も考えているという事で、だったら僕の曲はどうですか、と音源をお渡しした所、《臨死船》が彼女の琴線に触れたと仰って頂き、今回チェンバロパートをピアノ用に書き直しての改訂版を作りました。
伴奏の越知晴子さんは、新国にも度々いらっしゃるやはり同世代を代表するコレペティトゥアの一人で、このシアターピース的な世界を託すにこれ以上の方は他に見つからないのではないかと思います。サックスは初演と同じく、鈴木広志さんです。
何より初めてこの曲を聴く側に回れる事も作曲者として大きな喜びです。売出しは年明けですが、完売必須と思われます。どうぞ今からご予定に組み入れて下さいますようお願い申し上げます。