
昨年春の二期会《デイダミーア》でドラマトゥルクをされていた音楽学者の萩原里香さんが、ご専門の一つである「コラーゴ」についての研究書を上梓されました。
書影の副題にあります通り、コラーゴとは今で言えば公演プロデューサーに近い存在なのですが、黎明期においては更に演出の一部(衣装であったり照明であったり)を自ら手掛けたり、そもそも新作となるオペラの題材、台本作家や作曲家の選定まで決定権を持っていたりする大変広い裁量を持つ存在だったそうです。
フランス留学中に、うっすらとこの「コラーゴ」について何かの折に耳にしていた事があり、その話を萩原さんにしたところ、この新著の原稿チェックを依頼されまして、僭越ながら細々指摘させていただきました。モンテヴェルディを含む初期イタリアのオペラに何らかの形で関わっていらっしゃる方にとっては必携の一冊になるのではないかと思います。