新・通奏低音講座
既にお手元に届いてご覧になられた方もいらっしゃるかも知れません。
以前エッセイを書かせていただいた、古楽情報誌「アントレ」上で、「新・通奏低音講座」と題しまして、今月号より一年間、全10回の連載が始まりました。
以前も書いたことではありますが、通奏低音というのは大変定義の曖昧な概念で、いざ人に教える段になると、何に依拠するべきなのか、個人的な経験以外にもう少し根拠と説得力のある資料はないのか、探すのに骨が折れます。
リヨンの国立音楽院時代に、教授と一緒に様々な資料をあたった経験を、時代遅れにならないうちに一回まとめておく事で、次に続く世代のスタートラインをより先に進めることができるのではないか、という思いで書き始めました。
第1回は導入として”la règle de l’octave(オクターヴの規則)”という、フランス版通奏低音の「九九」のような表についてご紹介します。第2回ではぐっと時代を遡り、通奏低音黎明期に戻り、数回にわたり時代を追って、イタリアの話を進めていく予定です。
この「アントレ」誌は、こちらの取扱店、及び全国の大学図書館などで購入・閲覧が可能です。豊富に当時の図版や楽譜を掲載して、そのまま譜面台に置いて学習に使えるよう配慮しております。どうぞお手にとって、ご自分の手で歴史的通奏低音を体感して頂ければ幸いです。