ケン=サ=フ=マージョン?

ケン=サ=フ=マージョン?

《子供と魔法》には中国茶碗という役が登場します。

中国趣味のティーカップ、という事なのですが、歌詞が、当時フランスにいたであろう東洋人による下手なフランス語を模して書かれています。その中には当時のハリウッド・スター、早川雪洲の名前も出てくるのですが、幾つかの固有名詞が長らく由来不明で頭を抱えていた所、今回のプロダクションのフランス人ソリストからヒントを貰い、恐らくこれではなかろうか、という「訳」が作れたので、共有してみようと思います。

Keng-ça-fou, Mahjong, Puis’kongkongpranpa,
→Qu’en ça fout, Mahjong, puisqu’on comprend pas,
それが何だってんだ、麻雀、どうせ皆わかりゃしない、
Caskara, Harakiri, Sessue Hayakawa! Hâ! Hâ! Hâ!
カスカラ(1. コーヒーの豆を取った後の実を乾燥させてお茶にしたもの”Cascara” 又は、 2. 北アフリカで使われていた長剣”Kaskara”)、ハラキリ(切腹)、早川雪洲!ハハハ!
Çaohrâ toujours l’air chinoâ.
→Ça aura toujours l’air chinois.
みんな中国っぽく聞こえるだろ。
Ping, pong, ping… Kekta fouhtuh d’mon Kaoua?
→Ping, pong, ping… Qu’est-ce que t’as foutu de mon Kahwa?
ピン、ポン、ピン… 俺のコーヒー(<アラビア語「コーヒー」”Qahwah”より)に何しやがった?

「カスカラ」が、茶器という事でコーヒー関係の語彙なのか、切腹とかけた語彙なのかを決定できないのですが、この2つのどちらかであろうと思われます。

留学時代の語学学校で、中国や東南アジアからの学生の多くが、母国語の響きによるのかもしれませんが鼻母音が不得手で、丁度このリブレットの綴り通りに読んだような響きで喋っていたのを思い出します。多くの対訳ではこの部分は翻訳不能扱いにしていることが多いのですが、ただの無意味な言葉の羅列ではないことがお分かり頂けるかと思います。